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陳腐な表現になってしまうけれど、スポーツイベントには“神が降りる瞬間”があると思っている。
観客は熱に浮かされたようになり、選手もファンの声援に背中を押される。
そうすることで、選手は通常ではとても出来ないプレーにトライし、不思議なことに成功してしまうことがある。
かつてラグビー・東芝の冨岡キャプテンも「そういうことがある」と言っていた。
よく優勝した選手が「ファンのおかげ」と優等生的なコメントをすることがあるけれど、これは一面の真理を含んだ言葉なのだろう。
さて、そんな“スポーツの神”が降りたのは、東京ドームで行われた「X-TRAIL JAM in TOKYO DOME」。
大会2日目の今日は、ストレートジャンプだ。
ここでまず、神降臨への足がかりは作られた。
これまでに日本人予選は、悪く言ってしまえば招待ライダーが来るまでの“前座”。
予選が終わって外国勢が紹介ジャンプを飛ぶと、「やっぱ外人スゲエ!」という声が聞こえてくるのが恒例だったのだ。
そんな雰囲気を、32歳・平岡暁史がぶち壊した。
彼が繰り出したトリックは、かつてトラビス・ライスが優勝をもぎ取ったトリック、ダブルバックフリップ。
それを平岡が、完璧にメイクしたのだ。
なんたって、予選ですよ予選。
会場はいきなり大爆発。
「スゲエ!」というより、「マジかよ!!」の比率が高いどよめきがドームに響き渡った。
まるで、この先のとんでもない出来事に号砲を鳴らしたかのような平岡は、まだまだ爆発が続く。なんと本選でもトップスコアで通過を果たす大健闘。鈴木伯や中井孝治に期待が集まる中、ベテランがひとり気を吐いた。
これを見て負けられないのが外国勢。
ジャムセッションでは昨日優勝したショーン・ホワイトをはじめ、ライダーたちは当たり前のように1080やダブルバックフリップ、さらにはワンフットまでメイクする。
なんと1本目は8人全員成功というすさまじい幕開けとなったジャムセッションは、今まで見た中でも最高レベル。会場もホントに凄い熱気になってました。
狂乱のジャムセッションを終え、スーパーファイナルに残ったのはショーン・ホワイトとマシュー・クレペル、そしてトラビス・ライス。
ここまできたら、誰が勝ってもいい。とにかく凄いモノを見せてくれ。そんなムードで始まったスーパーファイナルもまた最高の展開だった。
1人目、トラビス失敗。
2人目、ショーン失敗。
3人目のクレペル、1080をメイク。340点のハイスコアをマークする。
追い込まれたUSの2人は、ものすごいプレッシャーの中で2本目のチャレンジ。
重圧を吹き飛ばし、神に魅入られた男はトラビス・ライスだった。
ダブルバックフリップ+180(※←は1本目のトライでした。2本目は「FSダブルコーク1080」だそうです)。
ボキャブラリーが少なくて申し訳ないけれど、「ものすごい」としか言いようがないトリック。
初参戦の時といい、本当に東京ドームはトラビス・ライスが好きらしい。
続くショーン、クレペルは、1260にトライしたものの失敗に終わった。
結果は問答無用。ストレートジャンプはトラビス・ライスが優勝した。
本当に、今年のX-TRAIL JAM in TOKYO DOME」は大成功。
これだけ凄いと、来年が大丈夫かどうか逆に心配になってしまうぐらい最高でした。