2006/12/05 (Tue) ペザォン幻想とMMAバブルの崩壊

今年のHERO'Sで日本に上陸した「ペザォン」ことアントニオ・シウバが、おかしなところで初黒星をつけた。

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12月2日に行われた「Bodog Fight」なる大会で、シウバは中堅ベテラン選手エリック・ペレと対戦。1Rわずか2分40秒で逆転TKO負けを喫してしまったのだ。

アントニオ・シウバは身長195cm140kgという巨体ながら、スピード感ある動きでこれまで全試合1R勝利。ゴリラそっくりの見た目、そして柔術経験もあるという底知れなさも手伝い、ペザォン幻想を高めていた矢先の敗戦だった。

早くも幻想崩壊というのはいただけない。
しかも、いつのまにか名門ATTに移籍していたのが少し驚きだった。

ATTに入ればさらに強くなるのは分かるけれども、どうにもモンソンやらディーン・トーマスやらカーンとやら、強くても“規格外”のレベルにまで到達しないという印象を受けてしまうのだ。

やっぱりプロレスから格闘技好きになったボクとしては、ついつい「有り得ない強さ」というのを求めてしまう。
練習とかは荒っぽいけど、なんだか強い。
ペザォンにはそんな神秘性があると思っていたが、まあ仕方ない。現実的にATT加入は最良の選択だろう。
この敗戦をバネにして、ペザォンが今後どう化けるかに期待したい。

ところで、「ゴリラ in 大みそか」ってどうなったんですかね…。

 

話変わって、同じ日の「Bodog Fight」では、ホジャー・グレイシーがMMAデビューを白星で飾っている。
相手は「水男」でおなじみロン・ウォーターマン。
ホジャーは見事に一本勝ちを奪い、MMAでの輝かしいであろうキャリアをスタートさせた。

最近は名のあるグラップラーがMMAで活躍できていないだけに、これからのホジャーにはさまざまなところからプレッシャーがかかってくることだろう。

ところでホジャーって、PRIDE出るとか言われてましたよね…。

 

「ところで」ついでにもう少し。

この「Bodog Fight」なるイベント、水面下で激しい選手獲得攻勢を仕掛けている様子なのだ。

実は「Bodog Fight」とは、MFC（Mixed Fighting Championship）の新名称。
スポンサーであるオンラインカジノ大手「bodog.com」の豊富な資金力を得て、この日もレッドデビル勢や武士道参戦経験のあるファイターがリングに上がり、当初はドン・フライ参戦も予定されていたのだ。

もはやPもKも関係なし。

なにせ、来年3月にはヒョードルが「Bodog Fight」に参戦するという話もあるぐらいだ。
ヒョードル問題はウワサに過ぎないものの、ついに日本のMMAバブルは弾けてしまった印象を受ける。

対照的に、アメリカはいま空前の格闘技ブーム。
UFCを筆頭に、新興イベントのBodog Fight、IFLも軌道に乗りつつある。
これから始まるのは、日本でおなじみだったファイターの大量流出時代!?

今後は数多くの選手が引き抜かれて大プロモーションが苦しむ中、「Bodog Fight」と提携したMARSが恩恵を受ける形で勢力を伸ばしたりして…。

そんな妄想はともかく、ここ半年ぐらいは格闘技業界の“人事”に要注目だ。